【要約】
【課題】
本考案は、従来に無い非常に実用的な防火具を提供することを目的とする。
【解決手段】
吸水性を有する防火用シート1と、水Wを収納する水収納容器2と、
前記防火用シート1を収納する吸水処理用袋体3とから成り、この吸水処理用袋体3は、
前記防火用シート1を収納した状態において前記水収納容器2の水Wを前記吸水処理用袋体3に注水した場合、
前記水Wが漏出せず、前記防火用シート1が吸水されるように構成されたものである。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
吸水性を有する防火用シートと、水を収納する水収納容器と、
前記防火用シートを収納する吸水処理用袋体とから成り、この吸水処理用袋体は、
前記防火用シートを収納した状態において前記水収納容器の水を前記吸水処理用袋体に注水した場合、
前記水が漏出せず、前記防火用シートが吸水されるように構成されていることを特徴とする防火具。
【請求項2】
請求項1記載の防火具において、前記防火用シートは難燃糸を含む綿混生地であることを特徴とする防火具。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の防火具において、前記水収納容器は、
ボトル本体の液体導出口部にキャップを着脱自在に設けた合成樹脂製ボトルであることを特徴とする防火具。
【請求項4】
請求項1,2いずれか1項に記載の防火具において、前記吸水処理用袋体は、
透明若しくは光透過性を有するビニール製の袋であることを特徴とする防火具。
【請求項5】
請求項3記載の防火具において、前記吸水処理用袋体は、
透明若しくは光透過性を有するビニール製の袋であることを特徴とする防火具。
【請求項6】
請求項1,2いずれか1項に記載の防火具において、前記防火用シート,
前記水収納容器及び前記吸水処理用袋体は、肩掛け部若しくは手提げ部を有する収納バッグに収納されていることを特徴とする防火具。
【請求項7】
請求項3記載の防火具において、前記防火用シート,前記水収納容器及び前記吸水処理用袋体は、
肩掛け部若しくは手提げ部を有する収納バッグに収納されていることを特徴とする防火具。
【請求項8】
請求項4記載の防火具において、前記防火用シート,前記水収納容器及び前記吸水処理用袋体は、
肩掛け部若しくは手提げ部を有する収納バッグに収納されていることを特徴とする防火具。
【請求項9】
請求項5記載の防火具において、前記防火用シート,前記水収納容器及び前記吸水処理用袋体は、
肩掛け部若しくは手提げ部を有する収納バッグに収納されていることを特徴とする防火具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、防火具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば火災時に備えた防災具として、特許文献1に開示される防災具(以下、「従来例」という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、身体の頭部を覆う防災頭巾と、この防災頭巾を収容する持ち手付きの袋とから成り、
この防災頭巾を収容する袋には持ち手がある為、特に児童においては携帯し易く、
従来において所定の場所に備え付けておくことが多かった防災頭巾を常時、持ち歩くことができ、便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2015-29807号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
本考案者は、前述した防火具について開発を進めた結果、従来に無い非常に実用的な防火具を考案した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。
【0007】
吸水性を有する防火用シート1と、水Wを収納する水収納容器2と、
前記防火用シート1を収納する吸水処理用袋体3とから成り、この吸水処理用袋体3は、
前記防火用シート1を収納した状態において前記水収納容器2の水Wを前記吸水処理用袋体3に注水した場合、
前記水Wが漏出せず、前記防火用シート1が吸水されるように構成されていることを特徴とする防火具に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の防火具において、前記防火用シート1は
難燃糸を含む綿混生地であることを特徴とする防火具に係るものである。
【0009】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の防火具において、前記水収納容器2は、
ボトル本体2aの液体導出口部2a’にキャップ2bを着脱自在に設けた
合成樹脂製ボトルであることを特徴とする防火具に係るものである。
【0010】
また請求項1,2いずれか1項に記載の防火具において、前記吸水処理用袋体3は、
透明若しくは光透過性を有するビニール製の袋であることを特徴とする防火具に係るものである。
【0011】
また、請求項3記載の防火具において、前記吸水処理用袋体3は、
透明若しくは光透過性を有するビニール製の袋であることを特徴とする防火具に係るものである。
【0012】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の防火具において、
前記防火用シート1,前記水収納容器2及び前記吸水処理用袋体3は、
肩掛け部4a若しくは手提げ部を有する収納バッグ4に収納されていることを特徴とする防火具に係るものである。
【0013】
また、請求項3記載の防火具において、前記防火用シート1,
前記水収納容器2及び前記吸水処理用袋体3は、肩掛け部4a若しくは
手提げ部を有する収納バッグ4に収納されていることを特徴とする防火具に係るものである。
【0014】
また、請求項4記載の防火具において、前記防火用シート1,
前記水収納容器2及び前記吸水処理用袋体3は、肩掛け部4a若しくは
手提げ部を有する収納バッグ4に収納されていることを特徴とする防火具に係るものである。
【0015】
また、請求項5記載の防火具において、前記防火用シート1,
前記水収納容器2及び前記吸水処理用袋体3は、肩掛け部4a若しくは
手提げ部を有する収納バッグ4に収納されていることを特徴とする防火具に係るものである。
【考案の効果】
【0016】
本考案は上述のように構成したから、簡易且つ迅速に良好な防火効果が得られるなど、
従来に無い非常に実用的な防火具となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例に係る防火用シート1,水収納容器2及び吸水処理用袋体3の説明図である。
【図2】本実施例に係る防火用シート1,水収納容器2及び吸水処理用袋体3を収納バッグ4に収納する状態の説明図ある。
【図3】本実施例に係る防火用シート1の吸水処理の説明図である。
【図4】本実施例の使用状態説明図である。
【図5】本実施例の使用状態説明図である。
【図6】本実施例の使用状態説明図である。
【考案を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本考案の実施形態を、図面に基づいて本考案の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
本考案に係る防火具を、例えば火災時において使用する場合、防火用シート1を吸水処理用袋体3に収納した状態で、
水収納容器2から水Wを注水し、防火用シート1への吸水処理を行なう。水Wは吸水処理用袋体3から漏出しないから、
水収納容器2の水Wは無駄なく防火用シート1に吸水される。
【0020】
この水Wを吸った状態の防火用シート1を、例えば、頭部から身体を覆ったり、カーテンのように吊り下げたりなどすると、
炎や熱による被害を防止・抑制できる。
【0021】
従って、本考案に係る防火具を携帯することで、水の無いような場所であっても、簡易且つ迅速に良好な防火効果が得られる。
【実施例】
【0022】
本考案の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、吸水性を有する防火用シート1と、水Wを収納する水収納容器2と、
防火用シート1を収納した状態で該防火用シート1に対して水収納容器2から導出した水を吸水処理するための
吸水処理用袋体3とから成るセット構成の防火具である。
【0024】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0025】
防火用シート1は、図1に図示したように難燃紡績糸で織成された柔軟性,
吸水性及び難燃性を有する生地(綿混生地:シーツ生地)であり、適宜なサイズ
(ダブルベッド用シーツのサイズ:横約180cm,縦約260cm)に設けられている。
尚、防火用シート1の素材としては、吸水性及び難燃性を有する素材であれば前述したものに限られるものではない。
【0026】
水収納容器2は、図1に図示したように適宜な合成樹脂製のボトル本体2aの液体導出口部2a’
にキャップ2bを着脱自在に設けたペットボトルであり、ボトル本体2aの容量は、
前述した防火用シート1に水Wを十分含ませるため及び携帯性を考慮すると約1~2リットルが望ましく、
本実施例では1.5リットルの容量のものが採用されている。尚、水Wは飲料水でも良いし、
それ以外の水(例えば河川水や海水や液体難燃剤などの薬品を混入した水)でも良く、真水に限るものではない。
【0027】
吸水処理用袋体3は、図1に図示したように透明若しくは光透過性を有するビニール製の密閉袋
(一対のシートを重ね状態とし、周囲をヒートシールして密閉状態としたパウチ袋)であり、
前述した防火用シート1を後述する収納バッグ4へ収納する折り畳み状態のまま収納可能に構成されている。
【0028】
この吸水処理用袋体3を透明若しくは光透過性を有する構成としたのは
、日頃の点検時における内容物の確認をし易くする為と、防火用シート1の吸水処理時の状況確認を行い易くする為である。
尚、吸水処理用袋体3内を脱気して真空状態としても良い。
【0029】
また、本実施例では、密閉状態の吸水処理用袋体3内に防火用シート1及び水収納容器2が収納された状態としたが、
防火用シート1と水収納容器2のいずれか一方のみが収納された状態としても良いし、
防火用シート1及び水収納容器2のいずれも収納されていない状態としても良い。
【0030】
また、本実施例では、前述した防火用シート1,水収納容器2及び吸水処理用袋体3は、
肩掛け部4aを有する収納バッグ4に収納されている。
【0031】
この収納バッグ4は、図2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した
上部開口部を有するリュックサック状の袋体であり、
折り畳んだ状態の防火用シート1を1枚と、水収納容器2を1本と、
吸水処理用袋体3を2枚(1枚は図示していないが防火用シート1,
水収納容器2及び吸水処理用袋体3を収納していない予備である。)収納できる大きさに構成されている。
尚、本考案者が提案する実用新案登録第3242987号に開示される水噴霧式消火器具
(例えば図4のタイプ)も収納バッグ4に収納しても良いし、予備の水Wの入った水収納容器2を収納しても良い
【0032】
また、収納バッグ4は、一対の帯状の肩掛け部4aが設けられ、
左右両肩に掛けて背負った状態とすることができる。尚、収納バッグ4は、手提げ部を有するタイプでも良い。
【0033】
以上の構成から成る本実施例に係る防火具の使用方法について説明する。
【0034】
本実施例に係る防火具を、例えば火災時において使用する場合、
防火用シート1を吸水処理用袋体3に収納した状態で、水収納容器2から水Wを注水し、
防火用シート1への吸水処理を行なう。水Wは吸水処理用袋体3から漏出しないから、
水収納容器2の水Wは無駄なく防火用シート1に十分に吸水される。
【0035】
この水Wを吸った状態の防火用シート1を、例えば、頭部から身体を覆ったり、
カーテンのように吊り下げたりなどすると、炎や熱(輻射熱)による被害を防止・抑制できる。
【0036】
具体的には、図4は、火災時(例えば建物火災、林野火災、トンネル火災など)
に頭部から身体の全身を覆った状態で風上側や焼跡側に移動する場合(炎と熱(輻射熱)を遮断する場合)である。
【0037】
また、図5は、防火用シート1を横方向に向けた状態とし、
この防火用シート1の上縁部を複数人で持った状態で風上側や焼跡側に移動
(例えばトンネル火災であれば火災車両の付近を移動)するようにした場合(炎と熱(輻射熱)を遮断する場合)である。
【0038】
また、図6は、延焼を防止したい部位、例えば建築物Hの近傍位置に自立する左右一対の支柱10を設け、
この左右の支柱10間に防火用シート1を防火カーテン(仮設の防火壁)のように架設可能に設けた場合
(炎と熱(輻射熱)を遮断する場合)である。この際、防火用シート1の高さは、
建築物Hの高さの2/3の高さ以上とし、火元F(炎)から10~20mの距離を確保できれば延焼を防ぐことができる。
【0039】
よって、本実施例によれば、日常時や非常時や旅行時など、
本実施例に係る防火具を安全グッズとして携帯することで、水の無いような場所であっても、
簡易且つ迅速に良好な防火効果が得られる。
【0040】
また、本実施例は、防火用シート1は難燃糸を含む綿混生地であるから、
前述したよう差効果を確実に奏することができる。
【0041】
また、本実施例は、水収納容器2は、
ボトル本体2aの液体導出口部2a’にキャップ2bを着脱自在に設けたペットボトルであるから、
非常に使い勝手が良く、防火用シート1の吸水処理を良好に行うことができる。
【0042】
また、本実施例は、吸水処理用袋体3は、透明若しくは光透過性を有するビニール製の袋であるから、
内容物の確認が良好に行え、しかも、この点においても防火用シート1の吸水処理を良好に行うことができる。
【0043】
また、本実施例は、防火用シート1,水収納容器2及び吸水処理用袋体3は、
肩掛け部4aを有する収納バッグ4に収納されているから、防火具を持ち運びが良好に行え、
水の無いような場所であっても、簡易且つ迅速に良好な防火効果が得られる。
【0044】
尚、本考案は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0045】
W 水
1 防火用シート
2 水収納容器
2a ボトル本体
2a’ 液体導出口部
2b キャップ
3 吸水処理用袋体
4 収納バッグ
4a 肩掛け部
図1】
本実施例に係る防火用シート1,水収納容器2及び吸水処理用袋体3の説明図
【図2】
本実施例に係る防火用シート1,水収納容器2及び吸水処理用袋体3を収納バッグ4に収納する状態の説明図
【図3】
本実施例に係る防火用シート1の吸水処理の説明図
【図4】
本実施例の使用状態説明図
【図5】
本実施例の使用状態説明図
【図6】
本実施例の使用状態説明図
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